宙石っていったいなに?   久保田先生との対談
久保田 昌治博士プロフィール
【略歴】

1936年(昭和11年)生まれ 新潟県出身
1960年 東北大学理学部卒業
1962年 同大学院修士課程修了 東北大学助手、静岡大学工学部講師を経て
1970年8月 株式会社日立製作所日立研究所入社・主任研究員
本社環境本部、機電事業部勤務を経て 1995年1月退社
その間、1983年〜1988年 財団法人 造水促進センターにて 国の水関係プロジェクト開発に従事
1994年 農水省「水資源再評価委員会」委員
1983年〜2003年 茨城大学工業部非常勤講師
  現在 ウォーターデザイン研究会 理事長
      株式会社ウォーターデザイン研究所 所長
      サトルエネルギー学会 顧問
      理学博士
【著作】

 1990年 「超純水の科学」(リアライズ社)共著
 1992年 「新しい水の科学と利用技術」(サイエンスフォーラム) 監修、執筆
       ビデオ 「水の機能化の基礎と応用」(サイエンスフォーラム)企画、脚本
 1993年 「オゾン年鑑」(リアライズ社)共著
       「分離精製技術ハンドブック」(丸善)編集、執筆
       「新しい水の基礎知識」(オーム社)
 1994年 「水のはなし」(日刊工業新聞社)
       「水の再発見」(光琳)編集、執筆
 1995年 「浄水・整水・活水の基礎知識」(オーム社)共著
 1997年 「"驚異の水"ロックウォーター」(技術出版)編集
       「水の百科事典」(丸善)編集、執筆
 1998年 「浄水器・天然水の選び方」(KKベストセラーズ)
 2000年 「21世紀体にいい水全情報」(コスモトゥーワン)監修
 2002年 「初歩から学ぶ機能水」(工業調査会)共著
 2003年 「これでわかる水の基礎知識」(丸善)共著
       「水ハンドブック」(丸善)編集委員長、編集、執筆  他
 2005年 「よみがえる水の不思議」(日本磁気活水器協会)監修、編集
【その他 久保田先生のPR】

学生時代は空手部に所属。勉学よりも空手に夢中な日々でした。現在はテニスなどをしたり相変わらずスポーツ好きな先生。
なるほど、血行がよろしいようで先生の肌はツヤツヤです。その他、音楽にもご興味があり、学生時代は民謡歌手を目指してトレーニングされたそうです。
ギターの音色がお好きで、最近ギターを習い始められました。多趣味な久保田先生は偏らない発想をおもちで、大きな視点で物事を考えられる科学者の一人です。
変なプライドがなく親しみやすい、ロマンチストでもある博士です。
久保田研究室
水はとっても奥深い
「水」をご研究されて40年、久保田 昌治博士とスカラベ社員の対談です。気になる水事情。え!本当?そんな現状なの?という新鮮な水情報をお届けします。これを見たら水の大切さ、水の奥深さを実感できること間違いなし!どの本を開いても聞いたことのないお話です。久保田先生もご多忙中、随分時間をさいて下さいました。久保田先生・スカラベ社員(以降Qと略します)の力作です。どうぞ、お楽しみ下さい。
水の魅力にはまって40年、科学者 久保田博士
Q: 久保田先生は日立製作所をはじめ、早くから「水」を研究されてこられた数少ない水の研究者で、昨今売れ行きのいい「洗剤のいらない洗濯機」の研究を40年前からされておられたのですよね。どうして「水」を研究されようと思われたのですか?
久保田: いや〜、よく聞かれるんですけどね。自分でもよくわかんないんですよ。気がついたらそうなっていてね。
Q: は〜それだけですか。水をご研究されて40年経ったそうですが、そんなに長いこと水を研究されてきた理由ってなんですか?そんなに水に魅力があるのですか?
久保田: 40年間水と関わってきて何が一番印象的かと聞かれたら、やっぱり「一つたりとも同じ水はない」ということですね〜。これが今まで研究してきた全てと言ってもいいくらいです。
Q: 「一つたりとも同じ水はない」ですか?
久保田: 水質分析すると川が違うとミネラルの種類や含有量などが違うのです。それだけじゃなくて、同じ川で同じ場所で時間をずらして採水したら水はもう違う、季節によっても違うのです。
Q: 変わり身が早いのですね。
久保田: 例えばね、半導体あるでしょ。製造するときに超純水といわれる高純度の水を大量に使用しますよね。あれは、初期の頃、季節によって歩留まりが違ってきちゃって問題になったんですよ。半導体は非常にデリケートでね。ちょっとの違いで歩留まりに差がでてしまう。最初分かんなくてね〜。原因が分かるのに3年もかかった。それは、水質が季節によって変わっているからなんですよ。分かってみれば当然のことなんですがね。
Q: へー、そうなんですか。
久保田: (声を小さくして)あとさぁ、季節によってビールの味が変わってくるんだよね。もう大分前のことですが、あるビール会社の幹部の方から「ビールの味が季節によって変わってしまうのをどうにかならないか」と相談を受けましてね。ビール会社にとってどうやってビールの味を同じにするかが最大のテーマだったようですな。最近ビールの銘柄がころころ変わるでしょ。頭のいい人がいてね〜。うまいことやるもんだと感心したんですよ。これは私の推測ですがね、生産ラインは変えずに銘柄を変えて市場に出しているんじゃないかとね。
Q: え!そうなんですか!そういえば、銘柄がころころ変わるのは最近になってからですよね。あったまいいですね〜。
科学界でわかっている「水」の特性は極わずか、まだまだこれから
Q: 今まで私は先生に何度かお話を伺っている中で非常にショックだったことの一つが「科学で分かっていることなんて極わずかですよ」ということでした。あの時から難しいと思っていた科学を「な〜んだ科学者もわからないことがあるのか」って思えて水の奥深さを実感したのですが、現在の科学界で「水」についてどのくらいまで分かっているのですか?
久保田: う〜ん、水分子はH2Oだっていうのはよく分かっている。液体の水は1気圧の下で融点0℃、沸点100℃(注-1)というのも分かっているね。
Q: 先生、それじゃ理科の教科書と同じじゃないですか。
久保田: それと水はクラスター構造をとっているということ。少なくともそう考えないと融点0℃、沸点100℃という水の最も基本的な物性値さえも説明できないんです。(注-2)液体の水はいくつかの水分子が集まってクラスター構造を形成している。その水分子がどんな集まり方をしているかとなると、もう分からなくなっちゃう。まぁ、水温の上昇に伴いクラスターが小さくなるということ、クラスターが小さい方が水の活性が高いということは第一近似としては言えますね。洗濯なんかでもそうでしょう。冷たい水より温かいお湯で洗った方がよく汚れが落ちるでしょ。
Q: 水は難しいといわれる理由の一つは、水は変わり身が早いためもあり、なかなかはっきりした結論が得られないのでしょう。科学者は一生を研究につぎ込み論文を発表し評価されることを夢見て日夜努力していますからね。水はなかなか論文がまとまらないので研究者から倦厭されてきたのでしょうか。
久保田: 今の科学では一つの検体をいくつかの原理の違う方法で調べ、それぞれの結果が一致してはじめて立証できる。水の場合、ある方法で水を測定した結果と、原理の違う別の方法で同じ水を測定した結果が必ずしも一致しないのです。そのため、こうだという結論がなかなか出せないのです。
Q: 今の科学で水を研究しようとしても限界があるようですね。
久保田: そうですね。私はね、科学において最も重要なものは「事実」だと考えているんですよ。メカニズムがわからないから非科学的と決めつけることこそ非科学的と言えるんじゃないかな。これは単に今の科学で理屈が説明できないだけであって、近い将来説明できるようになるかもしれない。
Q: さすがですね、先生。科学は進歩しているんですものね。今の科学が絶対だという保証はどこにもない。よく私も「宙石」を販売していて科学的データのことを聞かれるのですよ。確かにデータは必要ですが「科学界でわかっていることなんて極わずかなんだよ」って思います。

注-1) 融点は固体が溶けて液体になる温度。沸点は液体が沸騰する温度のこと。水の場合、1気圧の下で固体である氷は0℃で溶けて液体の水になり、液体の水は100℃で沸騰する。
注-2) もし、液体の水が単なるH2O分子の集まりであれば−100℃で溶けたり、−80℃で沸騰したりする。(融点−100℃・沸点−80℃)しかし、水はH2O分子の単なる集まりではなく、クラスターを形成し大きな分子のようになっているので、0℃という高い温度で溶けたり、100℃という高い温度で沸騰したりする。(融点0℃・沸点100℃)
赤ん坊の体重の約80%は水、ちょうど一升瓶にいっぱいの水を入れたものと同じ感じ
Q: 人々の水に対する関心度は益々高まっていますよね。なぜ、そんなに水が大事なのですか。
久保田: そりゃ、人間の体重の70%は水でしょ。人間、動物、植物もみな水がなければ生きていけないわけですよ。ここ数年前から急に関心度が高まってきましたね。生まれたばかりの赤ん坊は80%くらいは水ですよ。ちょうど一升瓶に水を入れたのと同じくらいでしょう。但し、温かさが違う。
Q: えっ!一升瓶と同じですか?なるほど、ガラスビンやふたを除いた中の液体はちょうど全体の80%くらいかもしれない。最近、私の弟の子供が生まれて、私、この間、病院でその子を両手に抱いてみたんです。そう言われるとちょうど一升瓶を抱いているみたいな感じでした。う〜ん、先生そうするとあの優しい温かさは「生命」の温かさですか?
久保田: そうでしょうなぁ。そうだと思いますよ。「生命」の温かさでしょうね。
Q: いや〜感激だな。
水の豊富な日本は地形学的に「憎くなるくらい」恵まれている国
Q: ところで生きていくために必ず必要なのが水ですね。水は自然界や体内でも循環しています。この水が循環していないと生命の循環も損なわれるのではないでしょうか。この間、NHKの番組で「宇宙」というのがあって「そうか」と思ったのが、地球は二つの奇跡からこんなに豊かな生命体になったのではというのです。一つは太陽からの距離が適当な位置だったこと、もう一つが「液体」である水が存在していたことだというのです。今までいくつもの生物が生きては死にを繰り返して生物の多様化が進んできました。その基となるものは「液体」である水が大きな役割を果たしてきたのではないでしょうか。
久保田: そうですね。水が循環していないと生命、健康もおかしくなってくるんだと思いますよ。日本はね、地形学的に憎くなるくらい恵まれている国なんですよ。だってね、日本料理なんて水が良くなくては成り立たないでしょ。「瑞穂の国」と言われていたくらいですからね。
Q: 「憎くなるくらい」っていうのがいいですね。そうですよねぇ。この間、中国へ行ってきたのですが、飛行機から地上を見るとアフガニスタンのように土と土で造った家が広がっていました。冬だからというのもあるのでしょうが、日本って本当に緑豊かな国ですよね。
アルカリイオン水の火付け役は中曽根首相?
Q: しかし、昨今の日本の水事情は大変深刻な感じがするのですが。
久保田: そうですね。平成に入ってミネラルウォーターや浄水器の市場が爆発的に拡大したのですが、その前から「水ブーム」は何回かあったんですよ。昭和30年代の高度経済成長の影響で昭和40年代に入って公害問題が発生しましてね、その頃からアルカリイオン整水器が注目されたんですね。
Q: へー、そんなに昔から。なんでアルカリイオン水が有名になったのですか。
久保田: それはね、昭和35年ごろ中曽根さんが飲んだりしてですよ。当時、科学技術庁長官でしたね。
Q: え!あの中曽根さんですか。どうしてですか、なんかのやらせですか。
久保田: いやー、何だかよくわかりませんがね。それと医療用具と認定されて胃腸関係で4つの効能がうたわれたことが大きかったでしょうね。やはり効果がなかったら廃れていたはずですから何らかの効果があったということでしょう。その証拠に最近になって医学的な裏づけデータが出始めてきました。
水の美味しさを求める日本人の感性はすばらしい
Q: でもその頃の水道水は今よりずっと美味しかったでしょう。アルカリイオン水など必要なかったのではないでしょうか。
久保田: それだけ水に美味しさを求める感受性や美意識が日本人にはあるのでしょう。米国では水は危険なもの、不安全なものと捉えられている。だから何でも除去してしまう「逆浸透膜式」の浄水器になってしまうのです。日本産の浄水器で「逆浸透膜式」を使っているのってないんじゃないかな。米国は徹底的に除去、日本は有害物質だけ除去、ミネラルはそのままという考えですね。
日本の水道水が塩素臭くなったのはごく最近のこと
Q: 米国では水は安全なH2Oであればいいわけですね。健康を考えると水はただのH2Oであればいいっていう問題じゃないですよね。
久保田: そうなんだけどね。なかなかそれを立証するのは難しいんですよ。だって今でも医学界や薬学界では「体重の70%は水」という視点で体を見ていないでしょう。「いい水を飲みなさい」って言う医者がいますか?そういう教育がされていないんですよ。
Q: なんかもったいないですよね。こんな立地条件が良い国なのに。水道水の塩素消毒も米国から押しつけられたのですか。
久保田: いや、必ずしもそうではないでしょう。そりゃ、生水は危険なものと思っている米国ですから水を消毒もしないで飲んでいる日本に塩素消毒を義務づけたのですがね、やはり水の汚染がだいぶ進んでいたのと、都市に人口が集中してきたので急速ろ過方法を取らざるを得なくなり、必要に迫られて塩素消毒が定着したのだと思います。それまでの日本の浄水場では「緩速ろ過」で水を浄化していたんです。微生物を使ってね、チンタラチンタラ浄化していた。それで安全で美味しい水が得られたんです。昭和30年代に入ってそれじゃ間に合わないので化学薬品を使って「急速ろ過」をはじめたのです。
Q: 塩素ですね。塩素で水を消毒するとどういう問題が起きるのでしょうか。
久保田: 「緩速ろ過」みたいにね。普通、水中の有機物は微生物のエサになって微生物が分解してくれるんですよ。塩素で消毒すると発ガン性のトリハロメタンのような有機塩素化合物が生成して微生物が食べてくれなくなるんだ。これを食べると死んでしまうってことが分かるんだろうね。
Q: 微生物って賢いんですね。人間なんかばっかばっか飲んでいるのに。
もともと地球上にあった「オゾン」となかった「塩素」の違い
久保田: ヨーロッパでは、100年も前から塩素ではなくオゾンで水を浄化しているのです。オゾンと塩素の本質的な違いは、オゾンはもともと地球上にあったもので雷が発生しても生成したりしてね。塩素は、第一次世界大戦の時にドイツ軍が使用した毒ガスだからね。塩素は人工的につくったもので、もともと地球上になかったものですよ。オゾンで処理した後の有機物は微生物が喜んで食べてくれる。分解してくれる微生物が育っているんだけど、塩素で処理した後の有機物は微生物が食べてくれない。分解してくれる微生物がまだ育っていないんですよ。
Q: 自然界に分解してくれる微生物が育っていない。毒物がたまる一方ということですか。
久保田: そうです。ドライクリーニングなどにも使われている有機塩素化合物のような化学薬品による水汚染はこれから数10年は続くでしょうね。対応できる微生物がまだ育っていないんだから。
Q: 数10年も続く、もうお手上げですね。
久保田: 有機塩素化合物による汚染は益々浸透してきますからね。50年も使ってきたわけですから。今世紀最大の発明の一つと言われたフロンだって1995年には製造全面禁止になったでしょう。まさか、今世紀最大の発明と言われたものが、安定なるがゆえにオゾン層までいってオゾンを分解してしまうなんて夢にも思わなかったですね。
Q: えー、でもどうしたらいいんですか。
久保田: まず自然界に残留するような有機塩素化合物を使わないこと、どうしてもそれが不可能なら努めて使用量を減らすことが大切です。
Q: 有機塩素化合物に替わるものってあるのですか。
久保田: それはありますよ。化学薬品を使わないで水だけでいろんなことができますよ。
Q: そういえば、「洗剤のいらない洗濯機」もそうですね。水だけで汚れを除去する。あれ、よく売れてるんですってね。高価で洗濯に時間かかるみたいで、よく買う人がいるなと思いました。
久保田: それだけ、一般の人の認識が変わってきているのですよ。そういう時代なんですね。私たちが研究していた「洗剤のいらない洗濯機」は今の機能とさほど変わらなかったのですが商品としては出なかった。科学の世界で水は今まであまりまじめに研究されてこなかったんですよ。アルカリイオン水だって医学的なデータが最近やっと出始めてきた状態です。昭和30年頃から使われ出してですよ。
Q: 今までの大量に使うことで効果を得ようとするのではなく、微量なもので十分な効果が出せるということですか。
久保田: そう、じわっと効果が出てくるのがいいんですよ。
微量の影響力は大きいぞ!
久保田: そういえば、2000年に米国で「低濃度効果に関するシンポジウム」というのが開かれてね。
Q: はぁ〜、低濃度ですか?
久保田: 発ガン実験で、発ガン性物質を高濃度でラットに与えると癌が出てこないんだね。ところが、その発ガン性物質を100倍に希釈して与えたら癌がたくさん出てきたんですよ。こりゃー、何でだ?っていうんでね。こういう会議が開かれたんです。
Q: へ〜、100倍に希釈したのでですか?
久保田: そう、濃いと出てこないんですよ。だからね、環境ホルモンとか、そういうのも低濃度だからこそ影響が出てくるんじゃないかなぁ。例えば、DDT(注−3)あるでしょ。あれだって発ガン性物質ということで今は製造禁止・使用禁止になっているでしょ。でも、我々の世代は戦後シラミがすごくってね。ご飯の代りにDDTを食べていたようなものですよ。数年にわたって浴び続けたからね。相当な量ですよ。
Q: あ!あの白い粉ですね。え!あれって1回きりじゃないんですか?先生たちよく生きてますよね。
久保田: いや〜、1回ってもんじゃないよ。小学校時代、数年にわたってそうだった。あんなに発ガン性物質を浴びてきて、我々世代が皆おかしくなっちゃったかって、そうじゃないんだよなぁ。むしろ今問題の環境ホルモンなど、低濃度だからこそ問題が出てくるんじゃないかと思っているくらいですよ。

注-3)有機塩素系殺虫剤。1971年、毒性や土壌劣化があるとされ製造販売が禁止された。戦後、日本ではシラミ駆除のために大量に使用された毒物。
自ら証明したい!いい水飲んで若返りを目指す久保田博士
Q: 先生は水の何を求めて研究をされているのですか。
久保田: やっぱり「健康」と「地球環境の改善」ですよ。特に若返りね。黙っていても10歳、若返って見えるようにね。
Q: え!先生も100歳まで長生きしたいのですか。
久保田: いやー、そこまでは望んでないけどね。少なくとも「水が健康にとって重要だ」と言っている者が長生きしなかったら説得力ないでしょう。
Q: 自ら立証しようというのですね。
日本の水道水は「成人病製造水」、しかし安全な水は?と問われたら、それもやはり「水道水」
久保田: まず、そのためにはどんな水を飲んだらいいかということになるんですけどね。水道水は「成人病製造水」のようなものだからそのままで飲むのは非常に問題です。まず水道水中の塩素を取り除いて飲むこと。活性炭を利用し塩素を取ればトリハロメタンのような有機塩素化合物もかなりの程度は取れる。
Q: 水道水はそんなに危険なのですか。
久保田: 水道水をそのままで飲むのは身体に良くないと言っていますが、では「安全な水は?」と問われれば、私はやっぱり「水道水」と答えるんです。
Q: はぁ〜、どうしてですか。
久保田: 少なくとも、水道水は定期的に水質検査しなくてはならない義務があるからね。各浄水場などで46項目の水質基準の検査を毎月行っているのです。
生命の水 水道水の安全は「コイ」様などによって守られている
Q: 以前、当社の社長が先生に「1ヶ月に1回くらいの水質検査で大丈夫か」お尋ねしたら、「コイを飼って日々の水の安全性をチェックしている」と言われたそうですが、本当ですか。
久保田: そうそう、浄水場によって違うんですけどね。コイだったり、フナだったり、金魚だったり、その他いろいろで、何種類かを一緒に使ったり・・・。
Q: 本当なんですか!魚の動きによって水質の変化をみようということなのですね。
久保田: 日立にいた時に水槽中のコイやフナなどの動きをカメラでとらえコンピューター処理し、水質変化を調べるという研究テーマがありましたよ。動きが活発になってきたら異常だということで・・・・
Q: 水門を閉めるのですか。へぇー、水が飲んで安全か安全でないかの検査人は浄水場の「コイとかフナ」などなんですね。
久保田: そう、これだけ科学が進歩してもねぇ、ある意味ではそれが最も科学的ですよ。だって水質検査して結果を待っていたら間に合わないじゃない。結果を出すのに一週間もかかっていたんでは・・・。
Q: そうですよね。「コイ」検査がみごとクリアしたら塩素消毒されて各家庭に流れているんですね。意外だけど、なんかうれしいですよ。我々の生命の水は「コイ」によって守られているなんて。「コイ」様々ですね。
久保田: コンピューターシステムを導入するのもお金がかかるでしょ。人間が監視している浄水場の方が多いですよ。それも24時間体制でまじめに監視しているかどうか保証はないですが・・・。
Q: いや〜。とっても原始的でいいじゃないですか。
日本のミネラルウォーターは「キュウリやトマト」と同じ
Q: 水道水は定期的に水質検査をしているから安全とおっしゃられましたよね。ミネラルウォーターはどうなんですか。
久保田: 日本のミネラルウォーターはね、キュウリやトマトと同じなんですよ。日本ではミネラルウォーターは食品扱いと考えられるんです。
Q: え!キュウリやトマトと同じなんですか。
久保田: そう、日本では水道水は「厚生労働省」管轄で、ミネラルウォーターは「農林水産省」管轄なんですよ。ミネラルウォーターは原水の汚染が全くなく、かつ常時大量に飲用などに利用しないということが大前提になって水質基準が決められていると考えられるのです。
Q: そういえば、ミネラルウォーターは一回きりの検査で、定期的な検査義務はないのですよね。
久保田: それと規制項目数も規制値もゆるい。水道水は46項目、それに対しミネラルウォーターは18項目で済んでしまう。
Q: 最初からですか、販売許可を得る時はもっと厳しいのでは。
久保田: いえ、最初からですよ。
Q: 誰が決めたんですか。
久保田: いや〜、誰が決めたか分かりませんが外圧の影響もあり、日本ではミネラルウォーターの水源は外国のミネラルウォーターの水源と同様に絶対安全という暗黙の了解でそうなっているんだと思いますよ。言い換えれば全ての責任がメーカーに任されているということですね。
Q: ミネラルウォーターがキュウリやトマトと同じなんてね。よくわかりません。
久保田: 日本ではミネラルウォーターは食品扱いということ。キュウリやトマトには菌がたくさんついていますよ。食品なんだから。だからミネラルウォーターから菌が検出されても慌てちゃいけないんです。食品にはたくさんの菌がついていますから。自然界で有害菌は多くても0.1%ぐらいじゃないですか。キュウリやトマトを毎年出荷する時、菌がどのくらいついているかなんて調べますか。
Q: はぁ〜、大変ですよね。
久保田: ところで、よくまじめな会社のミネラルウォーターのボトルに100g基準で「カロリー」とか「たんぱく質」とかって書いてあるでしょう。水にですよ。これはもう完全に食品扱い、日本のミネラルウォーターは飲料水じゃないんです。ところが「硬度」も書いてある。「硬度」は飲料水の概念で単位はppm、すなわちmg/L(注-4)で食品扱いであったら必要ないんですが・・・。
Q: 日本の場合、ミネラルウォーターは食品なのですね。しかし飲料水の概念なども表示されている。表示がごちゃまぜになってしっかりしていないということですね。なるほどね、そういや「カロリー」とかって書いてあるのよくありますよね。私も水なのになぜ「カロリー」が必要なのか不思議に思っていました。

注-4) 1ppm=1mg/L(1/1000mg)
私たちの知らない日本のミネラルウォーター事情
Q: でも、一般の消費者はミネラルウォーターの管轄が「厚生労働省」であろうが「農林水産省」であろうが、どっちでもいい感じもしますけど。美味しくて安全であればいいんじゃないでしょうか。
久保田: 水道水は約150円/m3、ミネラルウォーターは約15万円/ m3ですからね。価格的に1000倍の差がある。ミネラルウォーターが水道水より安全だというんであればいいですよ。でも、現在地下水の汚染は深刻な問題ですし、そして、このような状態が多分これから相当期間続くでしょう。日本の大手のミネラルウォーター会社は既に水道水を使ってますよ。
Q: やっぱりそうなんですか。水源の水量が豊富でない場合、短時間で大量に出荷し続けられるなんて無理ですよね。
久保田: 完全に水道水じゃないんですね。10%くらいは天然水を使っているから詐欺じゃない。海洋深層水だってそうですよ。海面下300mから深層水を汲み上げてその塩分を含むミネラル分の99%を捨てて飲用はたったの1%ですよ。しかも、その1%の塩分を含むミネラル分の90%近くが食塩ですからね。しかし深層水をどこかの天然水や水道水に1〜2%入れて販売しても詐欺じゃない。少しでも深層水が入っていれば「入っている」ということになりますからね。
Q: しかし、すごいことになってますよね。
久保田: 僕は水道水はそのまま飲んだら危険だと言っていますが、ではミネラルウォーターは安全かと訊かれたら「平均で見て、水道水の方がより安全じゃないか」と答えるようにしています。
水道水中の悪いものを取れば日本の水道水はミネラルウォーターと変わらない
Q: どうやら低コストで安全な美味しい水を得るためには原水として「水道水」が一番いいのではと思うのですが。
久保田: 今のね、東京の水道水を微生物を使って「緩速ろ過」したら美味しい水が飲めますよ。
Q: え!東京の水でですか。
久保田: そう、でもそれは実際問題として無理ですよ。今、東京で安全で美味しい水を飲もうと思ったら浄水器を使用することです。しっかりした浄水器を通した水道水はミネラルウォーターと変わらないくらいの味になりますよ。
Q: しっかりした浄水器とはどんな浄水器ですか。
浄水器も色々あるけど、どんな浄水器がいいのか?
久保田: 一般論として大きい浄水器ですね。大きいと浄水器の寿命が長いだけでなく有害物の除去率も高いのです。活性炭が一杯詰まったものがいいですね。この辺のことは水道水の酸化還元電位(ORP)(注-5)を測ってみるとよく分かります。東京都の水道水のORPは約+700mV、これを大型の活性炭などの詰まった浄水器を通すと+200mV〜+250mVぐらいに低下する。この450mVからの低下は、殺菌用に用いられている塩素が活性炭などにより分解されることによります。活性炭は塩素だけでなくトリハロメタンなどの有害物も取ってくれますからね。それでいてミネラルはそのまま残る。蛇口につける簡易型のものでもORPは+350mVくらいまでは下がる。したがって使わないより使う方がはるかに良いと思います。
Q: 逆浸透膜式の浄水器だとミネラルまで取ってしまうのですよね。
久保田: そう、日本の思想に合わないと思うんだなぁ。
Q: アルカリイオン整水器はどうですか。
久保田: アルカリイオン整水器は昭和30年代から出ており40年からの歴史があるでしょ。当時、医療的効果も得られるという目的もあり「カルシウム」をつけて販売されるようになったんですが、実際には「カルシウム」をつけないと厚生省で認可されなかったんです。「カルシウム」を入れると水の中で電気が流れやすくもなるんです。
Q: 「カルシウム」をつけないと医療用具として認可されなかったわけですね。
久保田: 実際問題として「カルシウム」は入れて10〜15分でなくなっちゃうんです。それで1ヶ月以上もたせるために錠剤にしたんだ。ところが、気温が上がるとカビなどが生えちゃう。そこでカビの発生を防ぐために防腐剤が使われている。これが問題です。今、買ってもカルシウム剤を使っていない人が多いんじゃないかな。それは私は正解だと思いますよ。あとね、アルカリイオン水にならない地域がありましてね。水道水のミネラル含有量が極端に少ないと水の中で電気が流れにくくなってアルカリイオン水にならないんですよ。
Q: それは日本でですか。
久保田: そうですよ。東京都内の一部でもね。メーカーはそういうところまで考えて販売するべきですよ。そういう地域の方にはセラミックス式活水器をお勧めしています。
Q: 水道水・ミネラルウォーター・活性炭使用の浄水器・逆浸透膜式の浄水器・アルカリイオン整水器・セラミックス式活水器。こんなもんですかね。一般の方ができる水対策方法として。
久保田: そうですね。あと外にもいくつかありますが、大まかにはそんなところですね。

注-5) 「酸化力」が強いか「還元力」が強いか数値で表したもの。酸化能力が強いと数値がプラスで高く、還元能力が強いと数値は低くなる。
今こそ日本文化のいいところを見直せば、いい暮らしが出来るのでは?
Q: なんだかここまでして水を飲んだ方がいいなんて、私の子どもの頃は考えられなかったですね。汚染が進んでしまった現実から逃れられないのはしょうがないのですが、やっぱりどうしてこんなになってしまったのか悲しいです。
久保田: 徹底的にいろんなものを除去してできる「超純水」という水があるんです。最先端産業、特に半導体の製造工程で洗浄水として大量に使われていますがね。水から溶質をはじめいろんなものを徹底的に取り除いて高純度水にしても、元の原水の性質は残っているんですよ。ちょうど、我々がいくら祖先や親を否定しても先祖の「血」というものが流れているようにね、先祖代々の血が。水というものは最後の最後まで原水の性質の尾をひいている。そこが水のおもしろいところでもあるんですよ。
Q: 「血」ですか。そういえば体内の血液の中心も「水」ですよね。我々日本人にとって一番いい水は先祖代々飲まれてきた水なのでしょうね。身体もそれが一番受け入れやすい水なのかもしれません。昔、飲んだことのある水であれば、体内の記憶が蘇り自然と体内循環を促進してくれることになるのでしょう。日本は豊かな自然といい文化をもっているんだから、失ってしまった過去数10年間を反省して日本の文化を見直し活性化できたら、いい暮らしができるのではないでしょうか。
久保田: 「水」にこんなにこだわる国民は世界的にみても珍しいですよ。そもそも日本料理は水が良くなかったら成り立たないわけでして、良い水は日本文化の原点ですよ。日本人はいい感性をもっているんだからね。「水」が世界的に注目されていく中で日本はもともと下地があるんだから、日本が「水」研究の中心になっていっても決して不思議ではないですね。
Q: お〜、先生もその一人ですね。先生はツヤツヤしたいい肌してますよね。生き証人に絶対なれますよ。これからも宜しくお願い致します。